虐待

隣の家に住む花子ちゃんが亡くなった。
噂によると、栄養失調が原因で亡くなったのだそう。
花子ちゃん家は母子家庭だ。母親と私は同い年で、もう何年もの付き合いになるが、花江が食事を与えなかったとでも言うのか。私にはとてもじゃないが信じられなかった。花江が虐待するなんて、そんなことあり得るのだろうか……。
ある朝、ゴミ出しに外に出ると、隣の家から花江が出てきた。あの噂が本当かどうか、確かめなきゃ。
「おはよう。ちょっと聞いていい？」
「何ですか？」
「花子ちゃんが亡くなったって聞いたんだけど……」
「あぁ、お母さんですか。はい。私が殺しました。私ももう高校生なのに、ああだこうだうるさいんですよ。だからお母さんを縛ってそのまま放置したんです。では、失礼します」
そう言って制服を着た彼女は、いつものように学校へ向かった。