新世界/恋

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白肌に浮かぶのは澱だけでこの街には誰も居ない。
吐き下すことの出来ない内臓をぶら下げながら歩く。
赤い赤い林檎を齧ったら世界に色が蘇る。
白い身体の僕は赤に飲まれてほろほろと崩れていった。


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あの子がなぜ涙を流しているのか分からない。
笑っていて欲しいのに、泣かないでいて欲しいのに、触れたらどこかに消えてしまいそうで困る。
僕はそっと頬にキスをする。
甘い味がして僕の身体は透明になり宙に浮いてゆく。
青春
公開:22/02/24 01:25

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