幸福とストーカー

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やることなすこと、全てうまくいく。仕事は順調、彼女ともラブラブ。宝くじを買えば大当たりだし、おみくじを引けば大吉だ。
だが、ひとつ気になることがある。それは、人生が前向きになってきたころから、女ストーカーに追い回されていることだ。電柱の陰から、隣のビルから、あるときは線路を挟んだ駅のホームから、オレのことを見つめてくる。
だが、あんな貧で古臭い女など用がない。しかも着ているのはいつもボロキレのような白い服。
ついにキレたオレは、女ストーカーを追い返すことにした。
「いい加減にしないと警察を呼ぶぞ」
その女ストーカーは、ふっと笑みを浮かべると、音もなく消え去った。
その日から、オレのツキは消え去った。職場は首となり、彼女とも別れ、宝くじはハズレばかり。おみくじを引けば大凶だ。
もしかしたら、あの女ストーカーは守護霊だったのかもしれない。だが、もう遅い。
ファンタジー
公開:22/02/26 06:39

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