サル猿山を去る!

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猿を見ていたら、一匹の猿が私を見て叫んだ。もっと食べたいよ、皆と喧嘩せず過ごしたいよと。
人工の猿山が出来る前は、山の中で食べ物を探し、少ししか無い時でも、腹を空かしていても、皆で食べ物を分け合い仲良く暮らしていた。
この猿山に来てからは、スタッフからは食べ物が貰えるので、探す必要が無くなった。
只スタッフがもっと美味しい物を投げ込む場所があって、その場所取りで朝から晩まで喧嘩をする様になった。
中には翌朝の場所取りの為、ここに留まって仮眠しているものもいる。
その間も独り占めされないかと考え、うかうかと眠れない。
まるで人間と同じだ、猿にこの猿山を出て新たな山奥へ移住してはと言ってみた。
すると頷き、翌朝には賛同した仲間達と一緒に山奥に消えた。
一ヶ月後のニュースで猿山の猿が半減したと流れた。
まだまだ減りそうだ、猿はやはり自然の山で暮らすのが一番の様だと気が付いた。
サル、猿山を去る!
ファンタジー
公開:22/02/25 21:16
更新:22/02/26 05:34

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