給食は残さず食べなさい

給食のスープを前に手を付けられないでいると先生が声をかけてきた。
「どうして食べないの？」って…このスープ、髪の毛が入っているから食べたくないの…
そしたら先生、「大丈夫よ。その髪の毛は先生のだから」と微笑んだ。
「髪は女の命って言うでしょ？皆がね、私の命の一部を食べて、私の苦労の少しでも知ってくれたらいいな～って思っているの。私この前ね、保護者の人に怒られちゃったの。成績がどんどん落ちているのはお前の教え方が悪いからだ！って。皆が私の言う事を聞かないのは親のせいじゃない？でもね、皆私のせいにするの。私のせいにしてストレス発散しているの。酷くない？じゃあ、私はどこにストレスを発散したらいいのかな？考えて考えて考えて…気付いたらこうなっちゃった」
頭に手を伸ばした先生はサラサラの髪の毛のウィッグを取って、つるつるの頭を見せて私に言った。
「これ以上私にストレスかけないで。私の苦しみを知って」