ヘビースモーカーの雪女

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公園で一人、煙草を吹かす雪女。吐いた煙はダイヤモンドダストのようにきらきらと輝く。
「かれこれもう百年以上吸っているが体は一向に悪くならねぇ…こんなもの只の気休めさ」
そう吐き捨てる雪女。煙草を口にする理由は口寂しいからのようだ。ニコチンの悪影響を受けない体は愛煙者の私からすれば羨ましい。
「昔は早く死にたいと思って吸い始めた。死んだ夫が愛煙家でね…煙草の火が私の体に燃え移れば、私も煙みたく消えるんじゃないかって思っていたよ」
おや?意外とロマンチストらしい。煙草の煙と共に消えるなんて素敵な去り方だ。
「で、お前は何なんだ?ナンパなら他所でやってくれ」
冷たい目を向ける雪女。煙草を吸ってもストレスは軽減されていないらしい。
おっと、自己紹介が遅れましたね。私は貴方の玄孫です。高祖がご存命と聞き、会いに来ました。
「長生きもするもんだね…」
雪女は驚いた表情を浮かべ、百年ぶりに煙草を消した。
公開:22/02/21 20:23

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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