プロジェクトマップ

ひらひらとメッセージが小舟のようにテーブルの上に降りてきた。目を輝かせたビジネスマンが五人、テーブルに座る。彼らはプロジェクトチームプランを作るために目に汗をかいて腕を組む。二人は椅子に固まったまま何本も矢印が引かれたプロジェクトマップを睨む。あとの三人は立ち上がってビールを三杯ずつ飲んだ。マップは進まない。一人が視線を上げると高い天井のあちこちに斑点がある。小動物の足跡のような。空調ダクトの雑音が消えた。五人はふたたびテーブルを囲んで議論をはじめる。要点と課題は書き留められて、それらをつなぐ進行ルートが見出せない。五人はテーブルの周りをぐるぐると歩き回ったりして二十五回ほどマップを手直ししたが結果をみつけられない。一人が再度天井を見上げた。そしてマップのあちこちに斑点を打った。天井の斑点と呼応した点を打ってつなぐ。ようやくマップが完成した。窓の外がしらじらと明るい。