産みの親はうるさい

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私は家庭の事情で生まれた親元を離れ、育ての親に育てられた。育ての親はとても親切な人で、私を大切に育ててくれた。そんな私が高校生になった頃、産みの親が私に会いたいと連絡してきた。私は会ってみる事になった。
「まあまあ。可愛らしい子に育って。誰に似たのかしら。まあ当然、私に似たのよね。オホホホホ」
育ての母の第一印象は、明るすぎるくらいに明るい人だと思った。
「スタイルも良いわね。誰に似たのかしら。まあ当然、私に似たのよね。私の若い頃にそっくりだわ。オホホホホ」
しかしこの人、本当によく喋る。マシンガントークというやつだ。この人、本当に私の産みの親なのだろうか。どこが私に似ているというのだろうか。全く似ていないではないか。そして産みの親と別れた後、育ての母は言った。
「本当はあの人、とても繊細な人なの。でもあなたに会うから無理してたんだと思う」
それを聞き、やっぱり私の親だと思った。
公開:22/02/21 10:54

富本アキユ( 日本 )

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・作詞を担当
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