勝手につづき

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書けずに困っていた僕に、朗報が飛び込んできた。
gonsukeさんの自動執筆機だ。
背に腹は代えられない。高価だが購入した。
このライター、人見知りがひどく相性悪いと使えないらしい。
「よし、ライター好みの僕になる」

ライターの製造年月を見てびっくりした。明治初期だ。これは、重要な情報だ。
まずは、ジャンル選び。
明治か…。ファンタジー、SF、青春のジャンルは消去し、王道の『恋愛』で。
次は、言葉だ。
カタカナや英語は使わないほうが無難だ。
イケメンじゃなくて、『美男』
不倫、じゃなく『不義密通』
えーと、『色男』
こうして、ライター好みの古風な言葉を次々選び『決定』を押した。

おお、どんどん印刷されていく。
え?漢字と変体仮名のオンパレード。
いづれの御時にか、女御、更衣あまたさぶらひたまひけるなかに……
「源氏物語?」

「おい、ライター。自分で考えろよ」
その他
公開:22/02/22 13:28
更新:22/02/22 13:31

風薫

第二の人生の趣味探しをしています。
老後、寝たきりになってもできる趣味探しをして、超ショートショートに出会いました(笑)(泣)
 

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