福流煙

たばこの害が叫ばれ、喫煙者が狭い喫煙所に押し込まれるようになって久しい近未来。
あるタバコメーカーや現状を打破しようと研究を続け、その結果そのすごいものを発明した。
なんと、副流煙が福流煙。つまり普段人がいやがる副流煙で吸った人を幸福にすることができるのだ！

どうせなら、主流煙も同じ効果にできないか！？　もしできれば大ヒット間違いなしである。
社長以下社員が一致団結して日夜研究を重ねたがどうもうまくいかない。
それどころか主流煙が酒流煙。つまり酔っ払う効果までついてしまった。

研究の結果明らかになったのは、福流煙はたまたまできた副産物。ならぬ福産物であること。
で、その福がどこから持ってこられたかというと……。

結局せっかくの成果を惜しむ人も少なくなかったがこの研究は厳重に管理されお蔵入りとなった。