魔法のお薬手帳

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お薬手帳。それは、自分が飲んでいる薬の情報を記した手帳であり、処方箋等の際に提出する物だ。私もそう思っていた。あの魔法のお薬手帳に出会うまでは。

「魔法のお薬手帳、凄くお買い得ですよ」

デザインが綺麗なお薬手帳だった。私はそのデザインが気に入って、魔法のお薬手帳を買った。

「使い方は簡単です。まずは手帳を閉じてください」

言われたとおりに手帳を閉じた。

「次に欲しい薬を思い浮かべて手帳を開いてください」
「目薬来い!!」

すると魔法のお薬手帳の上に、目薬が乗っているのだ。

「おおっ……」
「どんな薬でも出てきますよ。これで薬代が節約できますね」

これは良い物を手に入れた。しかし私が魔法のお薬手帳を使ったのは、ドライアイ用目薬だけだった。なぜなら私は健康体。薬に頼る必要がないからだ。そして私は寿命を全うした。結局、ほとんど魔法のお薬手帳に頼る事のない人生だった。
公開:22/02/18 11:08

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

https://youtu.be/frouU2nCPYI

・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

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ブラウン・シュガー
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