さとりの怪物

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 すき家のテーブル席に怪物が現れた。ガラガラなのに何で相席、と思うと、そいつは「お前今、ガラガラなのに何で、と思っただろ」。はあ。僕は曖昧に頷きチーズ牛丼を頬張る。「無視しようと思ってるだろ。そうはいくか。俺はさとりの怪物で、お前の心が読めるんだ」鋭い牙。「今日はチー牛を食いにきた。お前、チー牛だろ?」
 重大な勘違いだ。「勘違いって何だ?」とぼけてる。食われる!だけど逃げるのも戦うのも駄目で、全部見透かされてしまう。こんな所で死ぬなんて。iPad買ったばかりなのに。絵を始めてエッチな美少女が描けるようになりたかったのに。
 「へえ」怪物が勝手にiPadを取って絵を描いた。「お前、こういうのが好きなのか」
 最高に理想的なR18イラストがそこにあった。怪物は次々に絵を描いて、僕のアカウントで投稿した。いいねがたくさんついた。僕は泣きながら牛丼を食べ、その間ずっと下半身が切なくて痛かった。
その他
公開:22/02/18 02:46

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