天井スクリーン

14
18

私は和室の畳部屋で寝ているが、いつもと違う雰囲気に目が覚めた。何やら騒がしいと、眼を開けると真上の天井がスクーリンとなり、板の木目が動いている様だ。
その模様が時には人になったり、風景になったりまるで動く木目アート劇場の様だ。
最初は白黒であったはずが、いつの間にか天然色フルカラーに変わっている。

始めは観た映画の何かのシーンが記憶に残り、見えてるのかなと思ったが、
遠くに見える山々や川の流れは、幼き頃の故郷の情景に似ている。
更にズームインされた町並みは見覚えがあり、間違いなく我が故郷だ。
道行く人々の服装も、昭和20年代だ。子供も殆ど運動靴ではなく下駄履きで駆けずり回っている。その後ろを紐も付けない犬が嬉しそうに飛び跳ねている。
お母さん達も和服姿に割烹着で籠を持ち買い物に来、魚屋のオヤジもねじり鉢巻で客を呼び込んでいる。

突然、続きは次週当家にて上映と出て、終わってしまった。
ファンタジー
公開:22/02/20 12:48
更新:22/02/20 13:59

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容