不変の愛。

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 ジュワっと欲をそそる音が耳に飛び込むと、反射的に口内の唾液が洪水のように溢れ出す。
 「美味しくなれ、美味しくなれ、大好きなお肉ちゃん」
 リズミカルに口ずさみながら、オリーブオイルと塩胡椒をかけ、少量の水を加えてフライパンに蓋をする。
 「いっぱい汗かいて美味しい柔らかいお肉になろうね」
 出来上がりが楽しみだ、食べるということは、愛することに他ならない。
 そろそろいいかな?
 蓋を開け皿に盛り、ナイフで切り断面を確認すると、程よく火が通ったナイスレアだ。
 妖艶で美しい、おっと食べる前にバジルを少々ふりかけて出来上がり。
 食すということは最上の愛に他ならない。
 だからこそ、このフレーズは外せないのだ。
 「いただきます!」
 栄養は俺自身となる。
 だからこそ、彼女とは人生最期の時までずっと一緒であり続けることができる。
 食すということは、永遠で不変の愛に他ならない。
恋愛
公開:22/02/19 12:47
更新:22/02/19 12:49

パンダ一太郎( 首都圏 )

気が向いたらその時に思うがまま書き綴ります。

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