惑星降りの夢の白い椅子

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少年は、ただその美しい光景を眺めたままその場に佇む。少年の目の前には、真っ白な椅子が置かれている。なぜこんなところに誰がなんのために置いたのか。今はどうでもいいことだ。白く綺麗な惑星が少年の頭上に降ってくる。それのみが、その世界で唯一動くことを許される存在だ。少年は動かない。意識はあり確かな絶望を感じる。しかし、体は動くことをこの世界に許されていない。否、おそらく動くことを許されていたとしても、この絶望の前で体が動くはずもない。そこまで死が迫ってくる。そう感じていたとき、体は世界の拘束より逃れた。逃げ場はない。そもそも、自分はこの絶望から逃れたいのか。ただその美しい光景をより近くで眺めるためだけに、そして今度は力強い意志で前へ進む。辺りは終焉を告げる白い光に包まれる。少年はその世界に一生拘束され続けるだろう、そう思いつつやはり明日もその世界へと潜っていくのである。またその白い椅子に座り…。
その他
公開:22/02/15 22:31
更新:22/08/11 19:58
#夢 なにこれ

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