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昔々あるところに不機嫌な妻に困り果てた無口な夫がいました。所帯を持って10年、そろそろ子供を授かりたいと思っていた夫は子宝祈願で有名なお地蔵様のもとへお参りに行きました。
「いつの間にか夫婦仲がこじれてしまって今では会話すらままならず、このままでは子作りどころではありません。どうか妻の機嫌が直りますように」
夫がそう願うと「お主の願い、叶えてやろう。わしの顔をじっと見よ」と声が聞こえ、お地蔵様の左右の鼻の穴からビー玉大の黒い丸薬がせり出てきました。
「持ち帰って新月と満月の夜に湯に煎じ、お主が飲みなさい」
もし媚薬だったらどうしよう。妻に飲ませた方がよいのではーーそんな邪な思いも頭を掠めましたが、夫は言いつけに従うことにしました。するとどうでしょう。夫の口から妻をねぎらう優しい言葉が次々と飛び出してくるではありませんか。夫婦仲はたちまち良くなり、やがて二人は子宝にも恵まれましたとさ。
「いつの間にか夫婦仲がこじれてしまって今では会話すらままならず、このままでは子作りどころではありません。どうか妻の機嫌が直りますように」
夫がそう願うと「お主の願い、叶えてやろう。わしの顔をじっと見よ」と声が聞こえ、お地蔵様の左右の鼻の穴からビー玉大の黒い丸薬がせり出てきました。
「持ち帰って新月と満月の夜に湯に煎じ、お主が飲みなさい」
もし媚薬だったらどうしよう。妻に飲ませた方がよいのではーーそんな邪な思いも頭を掠めましたが、夫は言いつけに従うことにしました。するとどうでしょう。夫の口から妻をねぎらう優しい言葉が次々と飛び出してくるではありませんか。夫婦仲はたちまち良くなり、やがて二人は子宝にも恵まれましたとさ。
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公開:22/02/17 03:15
更新:22/02/17 03:16
更新:22/02/17 03:16
夫婦
お参り
昔話
2022年から米国在住。
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