質問があります!
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「質問があります。貴方は誰ですか?」
病院のベッドで彼が首を傾げる。
私は告げる。「貴方の元カノよ」
嘘だ。私は彼の妻だ。だけど彼を助ける為に嘘をつかなければならない。
彼が事故に遭った。酷い怪我で助かる見込みはないと言われ、絶望の淵に立たされた。
そんな私が藁にも縋る思いで頼ったのは悪魔だ。
悪魔は私の願いを聞き入れてくれた。その代わり彼の記憶から私という存在を奪い、悪魔が妻に成り代わると言い出した。
最悪最低な条件だが彼の命を救う為…その条件を飲んだ。
じゃあね、と別れを告げ、病室を出ようとする。彼に腕を掴まれた。
「質問があります!貴方はなぜ、泣いているんですか?僕はなぜ、貴方の涙に胸が締め付けられているんですか?僕はなぜか貴方を離したくありません!教えて下さい!」
私の視線の先で悪魔が溜息を吐いていた。記憶を奪っても想いは奪えなかったらしい。
悪魔が彼を諦め、私に返してくれた。
病院のベッドで彼が首を傾げる。
私は告げる。「貴方の元カノよ」
嘘だ。私は彼の妻だ。だけど彼を助ける為に嘘をつかなければならない。
彼が事故に遭った。酷い怪我で助かる見込みはないと言われ、絶望の淵に立たされた。
そんな私が藁にも縋る思いで頼ったのは悪魔だ。
悪魔は私の願いを聞き入れてくれた。その代わり彼の記憶から私という存在を奪い、悪魔が妻に成り代わると言い出した。
最悪最低な条件だが彼の命を救う為…その条件を飲んだ。
じゃあね、と別れを告げ、病室を出ようとする。彼に腕を掴まれた。
「質問があります!貴方はなぜ、泣いているんですか?僕はなぜ、貴方の涙に胸が締め付けられているんですか?僕はなぜか貴方を離したくありません!教えて下さい!」
私の視線の先で悪魔が溜息を吐いていた。記憶を奪っても想いは奪えなかったらしい。
悪魔が彼を諦め、私に返してくれた。
公開:22/02/16 20:47
元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。
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