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「困ったな」佐藤は嘆息した。
「どうしたんです?」峰田が振り返って聞いた。
「大学生の弟から、レポートの代筆を頼まれたんだ。安直なコピペはしない、なんて言いながら兄貴に押しつけるとは、ふざけたヤツさ」
「信頼されてるんですよ」峰田はカラカラと笑い、聞いた。
「ところで何に困ってるんです?」
「内容は難しくないんだが、文体がね…。普段からレポートを見ている教授なら、読んだ時に違和感があるんじゃないかと。せっかくなら完璧にしたい」
変なところに完璧主義だな、と峰田はまた笑った。
「ちょうどいいや。このペンに写真を入れると、写真の人物の文体で書けるんです。伯父貴が発明したんだけど商品にはなってなくて…。」
佐藤はペンを受け取ると、定期入れから亡き母親の写真を取り出し、ペンに入れて書いてみた。
佐藤は肩を震わせた。そこには留守番をする時いつも広告の裏に書いてくれた、母の優しい文が蘇っていた。
「どうしたんです?」峰田が振り返って聞いた。
「大学生の弟から、レポートの代筆を頼まれたんだ。安直なコピペはしない、なんて言いながら兄貴に押しつけるとは、ふざけたヤツさ」
「信頼されてるんですよ」峰田はカラカラと笑い、聞いた。
「ところで何に困ってるんです?」
「内容は難しくないんだが、文体がね…。普段からレポートを見ている教授なら、読んだ時に違和感があるんじゃないかと。せっかくなら完璧にしたい」
変なところに完璧主義だな、と峰田はまた笑った。
「ちょうどいいや。このペンに写真を入れると、写真の人物の文体で書けるんです。伯父貴が発明したんだけど商品にはなってなくて…。」
佐藤はペンを受け取ると、定期入れから亡き母親の写真を取り出し、ペンに入れて書いてみた。
佐藤は肩を震わせた。そこには留守番をする時いつも広告の裏に書いてくれた、母の優しい文が蘇っていた。
ファンタジー
公開:22/02/16 12:23
「蝋燭」が人生初作品、初投稿です。
よろしくお願いします。
普段は、韓国(アジア)ドラマ・映画の字幕監修者として働いています。
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