夕顔畑で

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キャンパスライフも残すところあとわずかとなったある日、地方への小旅行に出た俺は、夕顔畑のある田舎の小道を歩いていた。
俺はなんとはなしに足を止めて、地べたに成っている夕顔に目を止める。
夕顔は、太ったひょうたんのような見た目である。

「これがかんぴょうになるんだから、信じられんでしょ」

ふと、横を見ると、一人のおばあさんが、俺の横にいた。
かんぴょうといえば、あの細くて寿司やらに入っているあれのことだ。
おばあさんは続けた。

「これの外側を剥いていったものを干して、それを水で戻すとあなた方の知っているかんぴょうになります」
「へえ。最初にやった人はよく思いついたもんですね」
「ですね。あなた、学生さんですか」
「はい」
「卒業したら、そういう、誰も思いついてないようなことをやれる方になりなさいよ」

おばあさんはそう言って去っていった。
……ま、それだけの話である。
青春
公開:22/02/13 13:25

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