真っ白い老婆

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俺があの老婆に出会ったのは、三ヵ月前の事だった。休日に一人ドライブをして楽しんでいたら、山道で真っ白い服を着た白髪の老婆が立っていたのだ。

「おばあちゃん。どうしたの?こんなところで」

俺は不審に思い、声をかけた。もしかしたら認知症か何かで徘徊しているのかもしれない。

「……祟りが来る」
「祟り?」
「この世に災いが訪れようとしている」

やっぱり徘徊かな?

「参ったな。おばあちゃん車に乗って。家分かる?送っていくよ」
「祟りが来るぞ」

おばあちゃんを車に乗せて最寄りの警察署に送っていった。
それから三カ月後、俺はそんな事をすっかり忘れていた頃だ。また休日の休みの日にドライブしていると、同じ場所に白髪の老婆がいた。

「……来るぞ。祟りが来るぞ」
「おばあちゃん。祟りって一体何の祟りさ?」
「木々が騒いでおる。大地が揺れる」

その後本当に大きな地震がやってきて沢山の被害が出た。
公開:22/02/13 10:11

富本アキユ( 日本 )

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・作詞を担当
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・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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