質問があります！

「娘は預かった。返して欲しくば金を用意しろ」
『分かりました！でもその前に娘の無事を…声を聞かせて下さい！』
俺は娘に受話器を近付ける。どうした？なぜ黙っている？
「…何で？ママは私が殺した筈よ？それなのに何で生きているの！？」
『安心して…私はちゃぁんと死んでいるから。すぐに迎えに行くからね』
電話が切れた。待て？どういう事だ？
「お願いです！助けて下さい！このままじゃ私も殺されちゃう」
娘が懇願するも理解が追い付かない。どうしたらいい？
パリンッ…と窓ガラスが割れる音がした。ゆっくりとドアが開いていく。血塗れの女が入って来た。
それからはもうパニックだった。俺は無我夢中で逃げ出した。娘？勿論置いてきたさ。
それなのに俺の背中には娘がしがみ付いている。重さは感じない。
こいつは幽霊か？だがそんな質問、誰かに出来るわけがない…
分かるのは俺の足にしがみついている女がこの娘の母親だって事だ。