雨の旅

雨が降り続き道路に水が溢れ出ている。下水道からオーバーフローし、逃げ場を求め路上に来たのであろうか。
何故か気が付けば、私は砂漠のなかを彷徨っている。喉が渇き水を飲みたいがオアシスも無い。
さっきまで溢れる程あった水なのに。

地上や砂漠に降った雨は地中に沁み込み、大きな岩石で出来た層に着くと、ゆっくりと移動しながら、岩の隙間や割れ目を通り抜け更に下に移動する。
やがて様々な地層を旅をし、分岐しながら地下水となる。

浅い地層を移動していた地下水は、湧き水や井戸水として汲み上げられる。別の地下水は、川や湖に流れ込み、最後には海へ入るものもある。
地球上での年間降雨量は、505兆M3と言われ、やがて空へと水蒸気となり帰り、雨として戻って来る。地下水で数か月で湧き出るものもあるし、数百年も潜むものもある。

色々な場所で、色々な速さで地球の天地を巡り、生まれ変わって行く、水も人も輪廻転生だな。