善人度アピールリーグ戦

「今回が初回となります『善人度アピールリーグ戦』、大変盛り上がっておりますね、閻魔大王様」
「そのぶんだけ、鬼のお前らも楽そうだな。うむ、やってよかった」
「しかし、上手いことを考えたもんですなあ。極楽行きか地獄行きかの裁判の手間を減らすために、まずは亡者たち自らに自分の『善人度』をプレゼンさせるリーグ戦を行うとは」
「たしかにな」
「しかしみんな、地獄行きかどうかが懸かっているだけに必死ですな……おお、あの男はなんとよく口が回るんだろ」
「うむ」
「このぶんだと、あの男は天国行きですな」
「いや、奴は地獄行き確定だ」
「へ？」
「自分と相手の『地獄行き』が懸かったプレゼンだと分かっていて、躊躇なく自分がいかに善人かをアピールして他人を蹴落とすような奴が極楽に行けると思うかね」
「あ、なるほど」
「さあて、リーグの優秀成績者どもは地獄行き決定で裁判の手間が省けるわい」