宝くじ1等に当選した男

4
4

では、確かにお渡ししました。
銀行の奥、宝くじに当選した俺は、高額な賞金と、「【その日】から読む本」を渡された。

ニヤついた顔で家に帰る途中。自称親友から連絡があった。
どうやらまた金を借りたいらしい。
いい加減にしろ。と思いつつふともしかしてこいつ俺が宝くじに当たったことを知ってるんじゃないかと邪推してしまう。
結局、お金は1円も出さずに電話をきった。

たんなる被害妄想かもしれないが、やたらと寄付をねだる電話が多くなった気がする。
この金は俺のものだ! 誰にも渡さん。 
ついに俺は山の中の掘っ立て小屋を買い、そこに移り住んだ。
なるべく目立つのをさけ、買い物も近くのコンビニで安いパンを買う。
こうすれば誰もおれが億万長者とはわかるまい。

こうしてひっそりと生活していたが、急病にかかり寝込んでしまう。俺は誰にもみとられずにさびしくこの世を去っていった。
その他
公開:22/02/12 18:02

ばめどー

ぼちぼちやっていこうと思います。
コメントを頂けると励みになります。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容