他人の不幸で飯を食う

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ある人に「不幸ふりかけ」の作り方を教わった。
まず、麻袋に不幸話を詰める。これを3日間放置し、乾燥させる。板状になった不幸話をビニール袋に移し、めん棒で叩いて粉にする。
試しに友人の男の失恋の話で作ってみた。実にうまい!あまじょっぱさの中にこがしたような香ばしさがある複雑な味だ。
何度か作ってみて、話の内容によって味が変わることがわかった。最近の話ほど味が濃くなり、より不幸な話ほど旨味が増す。
いつしか俺はこのふりかけとご飯しか食べなくなっていた。それだけで満腹になってしまうのだ。材料費は0円だから家計にも優しいし、本当に幸福だった。

しばらくして、体調に異変が現れた。肌は荒れ、めまいはするし、心臓が痛い。
医者にかかったら当たり前だと言われた。不幸ふりかけはカロリーだけが高く、他にはなんの栄養もない。油で白米を食ってるようなものだ。

俺はさっそくこの不幸を、ふりかけにすることにした。
その他
公開:22/02/12 12:45

エス氏( 青森 )

落語とか漫才とかが好きなので、クスッと笑えてオチが綺麗なものを書こうと頑張っています。
よろしくお願いします。

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