金太郎外伝

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むかしむかし、足柄山に金太郎という男の子が住んでいました。
金太郎は、お父さんが足柄山をまもる大天狗で、お母さんが白狐だったこともあり、不思議な力を持っていました。
金太郎は、幼いころからクマと相撲をとったり、シカやサルと野山を駆け回って遊んでいました。
すくすくとたくましく成長した金太郎は、大天狗の家来である小天狗から剣術を学びました。
ある日、桃太郎に鬼ヶ島で退治された鬼たちが、海を泳いで足柄山に向かって命からがら逃げてきました。
金太郎は、桃太郎と竹馬の友でしたので、そのことを事前に知っていて、鬼たちを足柄山の手前の足柄峠で待ち構えると、持ち前の怪力と剣の腕前で返り討ちにしました。
金太郎は、すっかり改心した鬼たちと小天狗を引き連れ、鬼たちを追ってきた桃太郎や犬猿雉と合流すると、陸の足柄山と海の鬼ヶ島を高野山や比叡山などと並ぶ参詣のパワースポットにしましたとさ。めでたしめでたし。
その他
公開:22/02/12 07:06
足柄山 金太郎 大天狗 白狐 クマ 相撲 小天狗 桃太郎 鬼ヶ島 犬猿雉

SHUZO( 東京 )

1975年奈良県生駒市生まれ。奈良市で育つ。同志社大学経済学部卒業、慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。
田丸雅智先生の作品に衝撃を受け、通勤中や休日などで創作活動に励む。
『ショートショートガーデン』で初めて自作「ネコカー」(2019年6月13日)を発表。
読んでくださった方の琴線に触れるような作品を紡ぎだすことが目標。
2022年3月26日に東京・駒場の日本近代文学館で行われた『ショートショート朗読ライブ』にて自作「寝溜め袋」「仕掛け絵本」「大輪の虹列車」が採用される。

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