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江戸期、ガマの油に勝るとも劣らない逸品が存在した。その名も”猫の涎”。猫の唾液である。
汚い?そんなのガマの油だって似たようなものじゃないか。
それに文句なら猫の涎を使ってから言ってくれ。猫は傷を舐めて治すだろ?こいつは傷薬としても使えるんだ。
傷薬としても、だ。猫の涎にはもう一つ使い方がある。整髪料としても使えるんだ。
猫は綺麗好きな生き物でいつも毛繕いをしては自分磨きに余念がない。こいつで髪を整えると猫のように自然な美しさが引き立つ。
しかも思考が猫のようにしなやかで柔軟になる。当時の賢い者は皆、猫の涎を使っていた。
でも唯一欠点があってな。猫の涎は臭いんだ。
それ故に猫の涎を使った頭には誰も顔を近付けない。ニオイで顔が引き攣るからな。フレーメン反応はこの”触れん面”からその名がついたらしい。
さらに曲者の語源も”臭ぇ者”から来ている。
だから忍者は猫みたく軽快な身のこなしをしている。
公開:22/02/09 20:41
空論

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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