夕暮れ

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夕日が赤く染まっていた
昨日の出来事だった
彼女が別れ話を切り出してきた
些細な事であったが、つもりに積もった彼女の怒りは収まらなかった
私が言い訳をする暇もなく、彼女は去っていこうとした
「待ってくれ」そう言葉にする前に彼女の手を掴んでいた
彼女は何も言わなかった
ただ、彼女の目は盲目になったのかと思うほど光を失い、こちらを見つめていた
私は掴んでいた手を離すしかなかった
そして今日、夕暮れ時に彼女と再会した
再会といっても彼女は会うつもりはなかったらしい
ひどく怯えた目で私を見つめていた
その怯えた目に写っていたのは私だったのか、私が持っていた物であったのかは分からない
夕日が沈んでいく
前に聞いた事がある
この時間帯を逢魔時と言うらしい
幽霊や妖怪などのような怪しいものが動き出す不気味な時間らしい
私の姿はどう見えるのであろうか
夕日がより私の姿を赤く染めていた
公開:22/02/10 07:51

つのもん( 北海道 )

初めて小説を執筆しましたので、是非読んでください!

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