拾った印刷機

ごみを捨てに行くと、ごみの山の中に印刷機があるのが見えた。
まだ使えそうだなと思っていると、持って帰ってよと言っている。
持ち帰り埃を払えば、綺麗になり机の上に置いてみた。

机には買ったばかりの話題の本を、置き忘れているのを見つけ読む事にした。
噂通りで、読んで行くとどんどん引き込まれ、気が付けば夜になっていた。
残りは明日の楽しみにした方が良いですよと、印刷機から声が聞こえた。
貴方はその本を読みながら泣いていましたね。私はこの本を印刷する時、貴方が泣いていた箇所がとても気に入り、
是非皆にも読んでもらいたいと力を込めて印刷したのですと言った。

私は驚いて、貴方は単に印刷するだけの機械じゃなく、内容を読み理解も出来るんですねと言うと、勿論私が力を入れた本は、全てヒットしますよ。
いつか私は貴方の本を全力で印刷したいと思っています、夢を諦めずに頑張って下さいと。
喜びと共に目が覚めた。