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「ママ、これあげる」
幼稚園に預けた娘が私にお守りを渡してきた。
「今日のママね、悪いことが起こるの。だからお守り持ってて」
最近、娘は占いにハマっていて私をよく見てくれる。
「ありがと。お守り、肌身離さず持っているね」
娘に礼と別れを告げ、会社に向かった。

「課長、タクシーが到着しました」
部下の言葉に時計を確認する。そろそろ打ち合わせに行く時間か。
書類をまとめるとタクシーに乗り込む。
「あっ…すみません。ちょっと忘れ物をしたので待って貰えますか?」
急いで机に戻る。危ない危ない。お守りを忘れる所だった。
改めてタクシーに戻り、打ち合わせ先へと急ぐ。が、渋滞でもしているのか車は一向に進まない。
運転手さんが無線で確認し、驚いた表情を浮かべた。
「今から貴方が向かう会社で火事が起こったみたいですよ」
聞けば会議室の隣でガス爆発があったようだ。
我が家の小さな占い師に私は命を救われた。
公開:22/02/07 20:36

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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