質問があります！

いかにも人畜無害でどこにでもいそうな気弱な男性が私に怒りと困惑を混ぜ合わせた叫びを上げる。
「質問があります！何で僕が犯人だと分かったんですか！？」
連続爆弾犯の容疑で逮捕された彼の質問に私はフンっ！と鼻を鳴らしてやった。何で分かったかって？
私はね、警察犬以上に鼻が利くのだよ。君から幽かだが火薬のニオイがした。
それだけじゃない。君からは酷い犯罪臭がしていてね。もしやと思い、マークさせてもらった。
その結果、君は思うように犯行が行えずイライラしていたね。そのストレス臭も私は嗅ぎ取っていたよ。
「それで僕が犯人だと突き止めた？馬鹿げている…」
ああ、それは君の正直な感情だね。私は嘘をついた時特有の汗のニオイも嗅ぎ取れる。だから君の嘘も暴けるんだ。まだ質問はあるかい？
「…何もありません」
ふぅ…君はまた嘘をついているね。今度は私から質問がある。君は一体誰に言われ、これを行った？黒幕は誰だ？