7cmの嘘

同じ年なのに大人びている。
言動に余裕がある。
隙が無いのだ。

私なんかで良いのだろうか？
自分に自信は無いしいつも受け身。

今日は彼の家に行くという一大イベント。
ダメだ落ち着かない。

「上がって、上がって!」
そう促されて彼の部屋に上がり気が付いた。

「あっ・・・」
158ｃｍの私と165cmであるはずの彼の目線が同じ高さで交差する。

「ごめん、嘘ついてた、身長・・・」
小さな嘘に耳を赤くさせる彼。

そんな彼が心底愛しいと思ってしまった。
私は能動的に同じ身長の彼に口づけをした。

これが私の初めてキスであったのは言うまでもない。