ハコティッシュホールド

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 ネコをかいたいって言った次の日。ぱぱはぼくにあるものをくれた。

 「箱ティッシュ?!?」

 ぱぱはティッシュを開ける。
 「え!?!」
 箱ティッシュに、頭と手足としっぽが生えた!?
 「この子はね、“ハコティッシュホールド”って言うんだよ。お世話をしないと、ティッシュがなくなって。最期には、箱になっちゃうんだ。ちゃんとお世話できるかい?」


 それからずっと。
 ぼくは“ハーちゃん”といっしょ。
 





 「ハーちゃん、おはよう」
 ハーちゃんのせなかをなでようとする。

 「あ、あれ??ハーちゃん?全部フワフワ……?」



 ミャーン



 「ハーちゃん!!」
 ぎゅーっとだきしめると、フワフワの毛がほっぺに当たってくすぐったかった。



 そんな僕らを見て、ぱぱは言った。
 「“ハコティッシュホールド”はね、“優しさ”をいっぱい感じると。ネコちゃんになれるんだよ」
その他
公開:22/02/06 11:33
ハコティッシュホールド

すみれ( どこか。 )

書くこと、読むことが大好きな社会人3年生。
青空に浮かぶ白い雲のように、のんびり紡いでいます。
・プチコン「新生活」 優秀賞『また、ふたりで』
・ショートショートコンテスト「節目」 入賞『涯灯』



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