現実逃避

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「おい、嘘だろ……」
鏡を見て私は呆然とした。
自分の髪の毛が、なくなっていたのだ。昨日まではふさふさだったはず、なのに……。
ベッドの枕を見ると、大量の髪の毛が無惨な姿で息絶えていた。そばには歯磨き粉のような容器が……。手に取って見ると『超強力! 脱毛クリーム』の文字が目に入る。
あぁそういえば、となんとなく思い出した。昨晩、家で呑みすぎた俺は、家にあった脱毛クリームを手に取り、何を思ったのかそれを頭に塗布したのだ。相当酔っていたのだろう。
「こんな頭、いやだぁぁぁ!」

俺は、自分の頭皮の現実、つまり現実頭皮から現実逃避したくなった。
その他
公開:22/02/05 17:00
更新:22/02/05 17:43

雪宮冬馬

日本生まれ日本育ち。年齢約20代。まだまだこれからの男です。
noteでもショートショート書いてます。
よろしくお願いします。

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