粉雪さん

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チャット友達の粉雪さんは、いつも明るくて楽しい人だ。顔や本名は分からないけど、この人と過ごす時間は、とても楽しくて、私はチャットをする時間が大好きだ。

「粉雪さんってさ。男なの?女なの?」
「どっちだと思う?」
「えー、女」
「まあそれは秘密」
「教えてよ」
「粉雪に性別なんてないよ」
「ねえ。なんで粉雪って名前なの?」
「雪がよく降るところに住んでるから」
「秋田とか?」
「正解」
「それは教えてくれるんだ」
「うん」
「ねえ。もし私が秋田に行くって言ったら会ってくれる?」
「いいよ」

私はどうしても粉雪さんに会いたくて、秋田まで行く事にした。秋田は雪が降っていた。待ち合わせ場所に現れたのは、一人の女性だった。

「やっぱり女じゃん」
「これは仮の姿。私、雪の精だから」
「あはは。何それ」

しかしそれは本当だった。
彼女は帰り際、ふわりと雪になって空に舞い散ったのだった。
公開:22/02/05 09:47

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

https://youtu.be/frouU2nCPYI

・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

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ブラウン・シュガー
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