オムライス
4
2
「ごめんね……。これが最後のご飯だから……」
母はそう言って私にオムライスを作ってくれた。幼かった私は意味が分からず、オムライスを食べた。大好きな母のオムライスの味は、今でも覚えている。
母が失踪した。原因は父のDVだった。私も連れて行って欲しかったけど、母は私を置いて行ってしまった。最初は母を恨んだ。自分だけ逃げた母を。でも私は、後に母が悲惨な生活をしているのを知って、私を置いていった判断は、間違っていなかったのだと知った。父は私に暴力を振るう事はなかった。いつも殴られるのは、母だけだった。ならばこれが正しかったんじゃないか。そう思った。
大人になった私は、母の元へ行った。
母を助けようと思った。しかし母は、私の顔を見るなり謝ってきた。
「ごめんね、ごめんね」
何度も謝る母に私は言った。
「ねえ。お母さん、オムライス作って。久しぶりに」
母のオムライスは、甘い味だった。
母はそう言って私にオムライスを作ってくれた。幼かった私は意味が分からず、オムライスを食べた。大好きな母のオムライスの味は、今でも覚えている。
母が失踪した。原因は父のDVだった。私も連れて行って欲しかったけど、母は私を置いて行ってしまった。最初は母を恨んだ。自分だけ逃げた母を。でも私は、後に母が悲惨な生活をしているのを知って、私を置いていった判断は、間違っていなかったのだと知った。父は私に暴力を振るう事はなかった。いつも殴られるのは、母だけだった。ならばこれが正しかったんじゃないか。そう思った。
大人になった私は、母の元へ行った。
母を助けようと思った。しかし母は、私の顔を見るなり謝ってきた。
「ごめんね、ごめんね」
何度も謝る母に私は言った。
「ねえ。お母さん、オムライス作って。久しぶりに」
母のオムライスは、甘い味だった。
公開:22/02/05 09:37
カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu
・SSG投稿作品1500作品突破
・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c
・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。
https://youtu.be/frouU2nCPYI
・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過
〇サウンドノベルゲーム版作品(無料プレイ可)
ブラウン・シュガー
https://novelchan.novelsphere.jp/38739/
ログインするとコメントを投稿できます