噛まれる

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ゾンビが蔓延る世界になって早1年…私は今日も人類の最後の砦の門番をしている。
そんな私だが実は半年前にゾンビに噛まれている。だが、私は一向にゾンビ化しない。
噛まれた箇所も傷は1週間で治り、今でも自我を持つ人間のままだ。
これを研究者に報告しようかと思った。だが、そうすると研究者によって私は拘束され、その体を隅々まで調べられるだろう。そんな実験動物のような生き方はまっぴらごめんだ。
そもそもゾンビに噛まれて本当に人はゾンビになるのか?
私が見たところ、ゾンビに噛まれた人はゾンビになると思い込み、早々に殺されている。これでは説の立証が出来ない。
だから私は考えた。今夜、この門を開き大量のゾンビを砦の中に招き入れよう。
皆がゾンビに噛まれてしまえば、人間同士の殺し合いは起きない筈…それでやっと説の検証が行える。
「赤信号、皆で渡れば怖くない」と昔の人は言った。
まずは私が赤信号を歩み出そう。
SF
公開:22/02/06 20:44

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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