トシを迎えに
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紅白が終わり、僕が目を擦っていると、父さんが不意に立ち上がった。
「どうしたの?」
「トシを迎えてくる」
父さんは僕の頭をポンポンと叩くと、外に出て行った。
布団に包まり、ウトウトしていると、ガラガラと玄関が開く音がした。
(父さんだ)
怒られないように襖の隙間から覗くと、部屋には母さんと父さん。そばには大きな虎がいた。
(トシ、って虎?)
「今年もよろしくお願いします」
母さんが恭しく頭を下げると、トシは母さんを頭から飲み込んだ。
「うわあああ!」
突然の声にトシと父さんがこちらを向いた。
「なんだ起きてたのか」
動転した僕は窓から飛び降り、裸足で外を駆け出した。振り向くとトシが僕を追ってきた!
もうだめだ。
観念した僕は足を止め、振り返るとトシは口を開け、猛然とこちらに駆けてきた。僕は口の中に眩い太陽の光を見つけた。
「やあ!初日の出だ」
ーーパンパン!
僕はトシを拝んだ。
ガブリ
「どうしたの?」
「トシを迎えてくる」
父さんは僕の頭をポンポンと叩くと、外に出て行った。
布団に包まり、ウトウトしていると、ガラガラと玄関が開く音がした。
(父さんだ)
怒られないように襖の隙間から覗くと、部屋には母さんと父さん。そばには大きな虎がいた。
(トシ、って虎?)
「今年もよろしくお願いします」
母さんが恭しく頭を下げると、トシは母さんを頭から飲み込んだ。
「うわあああ!」
突然の声にトシと父さんがこちらを向いた。
「なんだ起きてたのか」
動転した僕は窓から飛び降り、裸足で外を駆け出した。振り向くとトシが僕を追ってきた!
もうだめだ。
観念した僕は足を止め、振り返るとトシは口を開け、猛然とこちらに駆けてきた。僕は口の中に眩い太陽の光を見つけた。
「やあ!初日の出だ」
ーーパンパン!
僕はトシを拝んだ。
ガブリ
その他
公開:22/02/06 20:41
マイペースに書いてきます。
感想いただけると嬉しいです。
100 サクラ
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