コールセンター

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プルルルッ!
そんな音は実際しないのに脳に刻み込まれてしまったようだ。

アルバイトとして始めたコールセンター。
まだ働いて数日だが疲労の蓄積が激しい。

今日も私はズタズタに傷つけられた。
銃やナイフがなくても人は他人に致命傷を負わせることができる。

人が生来持つ恐ろしい凶器の存在をこの仕事を通して改めて認知した。

プルルルっ!
仕事は終わったのにあの音がの私の世界を侵食しようとする。

いや、違う。
プルルルっ!「助けて・・・」
そう、これは精神が発信する自己防衛のためのアラート。
ずっと聞こえないふりをしていた。

「よかった、早めに気が付いて。」

人が生み出す排泄物より汚い、醜い何か。
私はそれから逃げ出す決意をし、震える自分を抱きしめてあげた。

 


 
 
 
 
ホラー
公開:22/02/06 17:05
更新:22/02/06 17:27

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