節分の由来

6
2

むかしむかし、腹を空かせた鬼がおりました。鬼は心優しく、人間の前に姿を現して怖がらせないようにひっそりと暮らしていました。ある日、鬼はどうしてもおなかが空いて、山を下りて人間の所へ降りてきました。

「お願いがあります。どうか食べ物を分けてください」
「鬼か。その代わり、人は襲うなよ」
「はい、もちろんです」

それから心優しい人間の男は、鬼に食べ物を分けてくれるようになりました。ある日、鬼は食べ物を貰いに行くと、人間の男が言いました。

「お前、厄を運ぶ鬼の役をしないか?」
「鬼の役?」
「お前に豆をぶつけたら厄を祓えるという噂を流す。腹が減ったら村へ降りて来てわざと豆をぶつけられろ。その豆を食えばお前は、いつでも好きな時に腹いっぱい食えるだろう」

こうして生まれたのが節分なのです。
鬼は厄を運ぶというのは、優しい男の嘘から始まった話だったのです。
公開:22/02/03 12:11
更新:22/02/03 12:49

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

https://youtu.be/frouU2nCPYI

・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

〇サウンドノベルゲーム版作品(無料プレイ可)

ブラウン・シュガー
https://novelchan.novelsphere.jp/38739/

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容