瞬間移動

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飛べたらいいな

鳥のように外に広がる青空の中を

走れたらいいな

子犬のように緑がいっぱいの公園の中を

笑って遊べたらいいな

同級生のように教室の中を


だけど僕は薄暗い部屋のベッドの中からでしかそれらを見ることしかできない

末期の癌らしい

パパもママもひどく落ち込んでずっと泣いていた

2人とも仕事しながら看病しているからとても疲れているように見える

ママのお腹の中には僕の弟がいるようだけど、大丈夫だろうか?

弟が生まれるまでに僕は生きていられるだろうか?

出来ることなら弟が生まれた時に瞬間移動出来たらいいのにな

それか弟が逆にこっちに来てくれてもいいな笑

そんな妄想をしていたらもう外は赤くなってきた

神様がもしいるのであれば

飛べなくてもいい

走れなくてもいい

遊びは…ちょっと遊びたいかな笑

そのかわりにママとパパが元気になって

弟に会えたらいいな
その他
公開:22/02/02 23:11

つのもん( 北海道 )

初めて小説を執筆しましたので、是非読んでください!

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