コリクイ

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会社帰りにペットショップを覗くのは私の日課だ。可愛い動物は仕事の疲れを癒やしてくれる。

コリクイと出会ったのも、そのお店だった。手のひらに収まるほどの、超ミニサイズのアリクイ。名前の由来は人間の筋肉の凝りを食べる習性だという。
私も肩こりに悩んでいる。ぜひお迎えしたい。そう伝えると、店員に何度も「本当にいいんですね」と念を押された。

コリクイは、私が帰宅すると玄関に駆けつけ、肩に飛び乗り長い舌でチロチロと舐める。すると不思議なことに、マッサージの後のように肩が軽くなるのだ。素晴らしいペットに出会えたと思っていた。

しかし、そのうち問題が出てきた。
コリクイが大きくなりすぎたのである。肩に乗ると、漬物石かと思うほど負荷がかかる。おかげでさらに肩こりがひどくなる。その凝りをまた食べて…の悪循環。

私はコリクイをお店に返すことにした。
「またダメだったか……」店員が悲しそうにつぶやいた。
その他
公開:22/01/31 23:47

エス氏( 青森 )

落語とか漫才とかが好きなので、クスッと笑えてオチが綺麗なものを書こうと頑張っています。
よろしくお願いします。

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