支那そば

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私が小さな頃の昔、即席麺やカップ麺も無い時代です。親父が支那そばを食べようかと言うと兄弟皆大喜びだった。
電話で出前を注文する時代ではなく、子供の誰かが中華店まで下駄履きで走って注文してくる。
それから半時間もすれば店の若い衆が運んでくる。
当時の値段は、タバコ一箱と同じ位で一杯が30円位と記憶する。
おか持ちの蓋を開けると、良い香りと共に上がる湯気に食欲も増す。
でも驚いたのは、箱の中から子猫が飛び出して来た事だ。
どひゃー、丼をひっくり返そうになったが事なきを得、美味しく完食した。その間猫は皆の食べてるちゃぶ台の下に潜っていた。
何処で紛れ込んだか、引取に来た店の人に聞いても、心当たりは無く首を傾げていた。
結局この猫は、家で飼うことになり、居着くととても人な懐かしく名前を付ける事になった。いつも家族のそばでゴロニャンとしているし中華そばから出て来たから、そばちゃんにしようとなった。
ファンタジー
公開:22/02/02 21:10
更新:22/02/03 06:28

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