いつもの道と夜の道

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小さい頃、学校の帰り道でよく通った分かれ道がある。その道は、左右に一本ずつ道が分かれている。

左を通れば、自分の家に続く道となる。
右を通れば行き止まりで、その先は森となる。

明るい内は普通の道だけど、深夜の12時をこえると迷い道となる。

その時間に、その分かれ道の前に立つと、いつも通っていた道と思えなくなる。
どこか不思議で、不安を呼び起こす暗がりの道に見えてくる。

とくに左の道は暗闇が深くて、怖くて引き返したくなる。
右の道を見ると、街灯が並び道を明るく照らす。

思わず右の道を通ってしまう。
行き止まりで、その先は森だったはずの道。
けど、たどりついたのは、さっきいた分かれ道。
怖くなって、右の暗闇の道を駆け抜け、無事に帰宅する。

朝になり、分かれ道を見てみると、いつもの分かれ道。けど、右の道には街灯がないことに気づく。
森も分かれ道には続いていない。

不思議な道である。
ホラー
公開:22/01/29 21:57

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