記念日過多の国

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私が暮らす東南アジアのとある国は中国の春節と同様、旧正月が本格的な年越しの時期に当たる。「正月と旧正月の両方休めるなんて羨ましいな」。何も知らない日本の友人からはそんな言葉をかけられるが、本当にわかっちゃいない。

あまり知られていないが、この国には正月に限らず、私的な記念日を新暦と旧暦の双方で祝う伝統が存在する。要するに一年に誕生日や結婚記念日が二回あるということだ。例えば、現地の女性を恋人に持つ男性は毎年、新暦と旧暦で彼女の誕生日を把握し、毎回異なるプレゼントを贈ることが推奨される。私もその例に漏れず、縁あって数年前に地元の女性と結婚し、一人娘を授かった身であるが、年々家族イベントがしんどくなってきた。妻の誕生日、結婚記念日、さらには娘の誕生日、これだけでも年に6回になる。

毎年変わる旧暦の日付を覚えるのも大変な上、出費ばかりがかさんで私の財布はいつもぺちゃんこのままだ。
ファンタジー
公開:22/01/29 20:07
更新:22/01/29 20:09
記念日 海外

アカサカ・タカシ( 米国 )

2022年から米国在住。

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