ヒッチハイク

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随分遠いわね。仕方ないわ。ヒッチハイクしようかしら。

あたしは行きたい場所がある。でも車も持ってないし、ヒッチハイクで乗せて行ってもらうしかない。あたしは目的地を書いた紙を掲げて道路で車にアピールした。しかし誰も止まってくれない。

「ちょっと!!止まりなさいよ!!こんなに可愛い女の子がヒッチハイクしてるんだから」

どの車も一瞬だけブレーキを踏む。しかし次の瞬間、全力でスピードを出して走っていく。

「もう!!止まりなさいよ!!なんでよ!!どうしてよ!!どうして止まりそうで止まらないの!!」

そして私は、その理由にようやく気が付いたのだった。

「ああ、そうか。そうよね」

私は幽霊。足がないのだ。だから私の姿を見た時、ドライバーはビビッて私を乗せようとしないのだ。

「何よ、もう。こんなに可愛い女の子なのに!!」

その時、一台の車が停まった。その運転手は青白い顔をしていた。
ホラー
公開:22/01/31 09:58

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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ブラウン・シュガー
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