本当は…

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ホワイトクリスマスは、状況としてベストなのか―そんな問いを或る日、友人から投げられた。その時、私は「足元が大変だから、家にいる方が良いなぁ。」なんて、捻くれた答えを返した。ただ「そっか。」と呟いた彼は、特に何も語らず、他の話題に移っていく。私たちの会話は取り留めなく流れるのが常で、私もその事を気にすることは無かった。クリスマスにどこか行こうか―それを私は、否定する筈も無い。用事が無いのは事実。リア充爆発しろ、という心理は昔から持ち合わせがない。ただ、仲の良い相手とのお出掛けは楽しみ―ただそれだけ。
クリスマス当日、液晶の向こう側の予報士が降雪を喚起する。それを横目に、私は約束の時間に遅れないように準備を終える。暖房を切り、カバンを持って腰を上げた所で、ピンポォン―とチャイムが鳴る。はぁい、と声をあげ、玄関の扉を開ける。そこには、約束の相手が、首をすくめ、白い息を吐いて待っていた。
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公開:22/01/31 12:00

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