猫になりたい！

猫になりたい…１日中寝ていても文句言われないし、働かなくていい。皆に可愛がられる生まれながらの勝ち組だ。
それに引きかえ俺はどうだ？親からは「働け」と毎日言われ続け、可愛がられもしない。生粋の負け組だ。
くそっ！仕事している奴がそんなに偉いのかってんだ。
あ～…マジで猫になりたい…
「なら、代わって差し上げましょう」
見知らぬ野良猫が俺に話しかけてきた。
「私、人間になりたいと常日頃から思っていました。貴方さえよければ、替わって差し上げますよ？」
俺は夢でも見ているのか？
まあ、どうでもいい。猫になれるんなら願ったり叶ったりだ！俺と替わってくれ！
「はい。勿論です」
こうして俺は野良猫になった。
自力で餌を取れず、人からも食べ物を貰えない俺はゴミ漁りをしている途中、保健所の連中に捕まった。
ここでは食事が出る。毎日ゴロゴロしていられる。まさに天国だって思った。
ガス室に追いやられるまでは…