哀切を/もう会えない人へ

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泣きじゃくっても悲しみは少しもなくならなかった。
強くなれない自分に酷く腹が立ってしょうがなかった。
あの時の言葉も手のひらの熱も忘れない。
今はどんな言葉も無意味にしかならなかった。
ただ一人絶望の断片を味わっていた。


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あの人の声は色です。
美しい色です。
潮騒の、朝凪の、夜空の色です。
真っ白な空間によく映える。
水彩絵の具のように柔らかく伸びやかで冷たくてやさしい。
風が吹くのも気にせずに。
あの人は色に飲み込まれてゆきました。
青春
公開:22/01/30 18:06

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