酔夢

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桃色の花弁がクルクルと舞い踊る。
ぽかりと浮かんだ白い満月は、世界を仄かに照らす。

石垣の上で、酒の盃を傾け、昔と変わらぬ姿を取り戻した町を眺める。
人は、神とは違う。幾度、心を打ち砕かれ、膝を屈しようとも、立ち上がり続ける。

違うからこそ、面白い。違うからこそ、妾は眺め続けるのだ。

信仰の薄れたこの世界を見放した他の神に酔狂だと笑われるだろうがな。
その他
公開:22/01/28 12:00

揚羽( 日本 )

物書きの端くれになりたい一般人E

空想の世界で遊ぶことが好き

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